8.逆切り3

 前回中途半端に終わってしまった逆切り(守備編)も今回が最後だと思います(ほんとかどうかわからんけど)
 前回までで一応1萬(端牌)と2萬(中張牌)の危険度に関しては、 ほとんど差がないということの説明はできたと思っています(納得するしないは別問題)
 では、1萬も2萬もどちらも危険度が同じ場合というのはどちらの方を先に切り出したほうが良いのか? ということですが、それについては1萬を先に切る方が格段に良いということです。
 つまり、2萬を手牌に残した方が良いということです。

 なぜか?
 それは1萬と2萬では打ちまわしやすさが決定的に違うからというのが理由です。 麻雀は基本的に4人でするゲームですから、どうしても守備に回るケースが多くなる。
 その場合にいつもベタオリしていたり、ただ闇雲につっぱたりしていては、なかなか勝てない。 そこで肝心なのが、いかに危険牌を使いきり聴牌し、上がりきるかということが重要になってくる。
 つまり、いかに回し打つのか?どうやって回し打ちやすい手牌に構えておくのかということが重要だと言えます。
 そこで、1萬と2萬の比較ですがどちらが手牌に残っている方が回し打ちやすいかということですが、 これはもうわざわざ説明する必要もないでしょう?
 2萬の方が圧倒的に使いやすく、回し打つことが簡単にできることは自明です。
 しかし、そうは言っても説明しないわけにはいかないでしょうから、 一応簡単に説明させてもらいます。

 回し打ちのしやすさに1萬と2萬で差が出る理由は、1萬と2萬の有効牌の差です (偉そうに言うのも恥ずかしい限りですが)
 単なる孤立牌のときよりも有効牌に差が出ます。 まず、他家が仮に1萬と2萬のシャボ待ちでオープンリーチをしたとしましょうか? (ちょっと無理があるかな?この設定は。 要は12萬待ちだと読めれば問題ないってこと。)

 2萬を先に切った場合の有効牌は1萬1牌(自分で1牌、聴牌者が2牌)、 2萬1牌(自分で1牌、聴牌者が2牌)、 3萬4牌の3種6牌が有効牌になります。
 ただし、有効牌の3分の2にあたる3萬を引いた場合は振聴になります。 そのうえ待ち牌は2萬の1牌しかない。
 1萬を引いた場合は1萬を雀頭にして、他に面子を求めることもできるが1牌しかない。 2萬を引いた場合は、辺3萬に一応なるにはなるが、その2萬も1牌しかない。 これで果たして回し打つことができるのか?
 答えはもちろん、否である。 これでは結局は降りるしかないのではないだろうか?

 では、逆に1萬を先に切り、2萬を手牌に残しておいた場合の有効牌はどうなるのか?
1萬1牌、2萬1牌、3萬4牌、4萬4牌の4種10牌が有効牌になる。 4萬を引いた場合は嵌3萬で待ち牌は4牌ある。 3萬を引いた場合は振聴にはなるが4萬は4牌、1萬は1牌ある。 振聴になったとしても有効牌が5牌あれば、一応は十分だと言える。
 2萬を引いた場合は雀頭になるので、他で面子を作ることができるので問題ない。
 もちろん、1牌しかないのは、2萬切りの場合と同じである。 1萬を引いた場合は辺3萬の待ちにになるが3萬は4牌あるので、 まず十分だと考えられる。

 つまり、1萬を先に切った場合に十分に有効牌になりえる牌は4種10牌なのに対して、 2萬を先に切った場合に十分に有効牌となりえる牌は1萬1牌と2萬1牌の2種2牌しかない。
 いかに2萬を手牌に残しおく方が打ち回しやすくなるかこれでお分かりいただけたと思います。
 つまり、危険度が同じ場合や将来の他家の待ち牌がわからない場合は、 一見安全度の高そうな端牌を残すのではなく、 明らかに回しやすい中張牌を残した方が分が良いといえます。
 これをもっと発展させて、同程度危険な1萬と4萬のどちらを先に切った方が良いか? ということになった場合には、今までの説明を考えれば1萬を先に切り、 4萬を手牌に残しておいた方が良いということはお分かり頂けるかと思います (というよりも、辺張落としのときよりも回し打ちやすさの差が顕著になる)

 つまり、今回言いたかったことは、あくまでも将来的な危険度が同程度の場合であれば、 ほとんどの場合、中張牌もしくは有効牌が多くある牌の方を手牌に残しておく方が良いということです。
 ただし、これはあくまでも危険度が同一程度かつ2種類以上の牌を落としたい場合に、 どういった順で切っていくのが守備的な面から考えてよりマシなのか? ということを言っているに過ぎません。

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