10.ナシナシ排撃論3

 ナシナシ排撃論の最終回です。 今回はどんなときに和了れてどんなときに和了れないのかを説明します。

 その前にナシナシルールについてもう一度確認しておきます。 まず、ナシナシとはクイタンなし、後付けなし(完全先付け)ということで問題ないですよね。 クイタンなしは面前でないとタンヤオにはならないということで、これも問題ないですよね。 また後付けは面前のときは確定している役がないと和了れない、 鳴いたときは後から役を付けた場合は和了れないということで問題ないですよね。 では、例を挙げて見てみましょう。




 ナシナシでもっとも基本となる手牌です。 これが和了れるかどうかは分かりますよね。 待ち牌の2索、中のうち役がつくのは中だけなので、役が確定していないということで、 2索でも中でも和了ることは出来ません。 片和了りの聴牌は和了ることが出来ないというのがナシナシの最も基本的なルールの一つですから特に問題ないですね。

※片和了り・・・待ち牌のうちで特定の牌(上記では中)しか役がつかないような和了り形。




 では、今回のように全ての待ち牌に役があるような聴牌形は和了ることが出来ると思いますか。 実はこれも前回と同じようで和了れません。 なぜなら、上の手牌で確定しているのは役がつくことであって、 役が確定しているわけではないからです。 役が確定するとはどのような和了り方であっても必ずついている役が1つ以上あることをいいます。 つまり、今回の手牌では白で和了ると白のみで、 中で和了ると中のみとなりどちらの和了りにも共通している役がないので和了れないということです。




 上の手牌は3筒と2索の聴牌ですが、これは当然和了ることが出来ます。 どんな和了り方をしても中が付きますから、役が確定していることになります。 これはさすがに問題ないですよね。これが和了れないようだと和了れるものがなくなってしまいますからね。




 上の聴牌形は三暗刻が確定しているので和了れると思う人もいるかもしれませんが和了ることは出来ません。 実際の和了りを見てみると分かりますが、7筒で和了ると四暗刻となりますが、 8筒で和了ると純全一盃口になって共通している役がありませんね。 ですから、和了ることが出来ないということです。

 しかし、8筒での和了りを純全一盃口ではなく、三暗刻と考えれば和了れると考える人がいるかもしれませんので一言書いておくと、 麻雀には高目取りのルールがあるのでそれは出来ないのです。 高目取りとは、どちらにも取れるような役がある場合は必ず得点が高くなるように解釈しなければならないというルールです。 今回の場合ですと純全一盃口が満貫になるのに対して、三暗刻だと2翻50符にしかならないので、 三暗刻は適用されず純全一盃口が適用されるということです。




 今回の手牌は和了ることが出来ます。 8筒の場合は三暗刻、7筒の場合は四暗刻で共通している役がないように見えますが、 四暗刻は三暗刻の上位役(四暗刻であれば三暗刻が必ず含まれている)なので、 三暗刻が確定していることになり和了ることが出来るわけです。




 同じ四暗刻ですが上の手牌はどうでしょうか。 待ちは234筒ですが、24筒は対々和、三暗刻(もしくは四暗刻)、3筒は一盃口となるため和了ることが出来ません。 3筒ツモや振聴を恐れてダマにしていたら和了ることは出来ないということです。 非常にバカバカしいですね。




 ナシナシの和了りが問題になるときに非常に良く出てくる聴牌形です。 待ち牌は143萬の3種類あるのですが、これも和了ることが出来ません。 1萬は平和のみ、4萬はタンピン、3萬はタンヤオのみということになり、 確定している役がありません。 ですから、和了れないということになります。




 これも一つ前の聴牌形と基本的には同じですね。 1索は平和、4索はタンピン、7索はタンヤオのみで確定している役がないので和了れません。




 上の手牌は和了ることが出来ます。 2索はタンピン、5索はタンピン、8索はタンヤオでタンヤオが確定しているので和了れます。




 今度の聴牌の待ち牌は25索ですが、役がつくのは5索だけで2索は役がつかないので和了ることが出来ません。




 これも役がつくのは9筒だけで36筒は役がつかないので和了ることが出来ません。




 同じ一通ですがこちらは369筒のどの和了りであっても平和が付きますので、和了ることが出来ます。




 3筒で平和一盃口は問題ないですね。6筒の場合は七対子と二盃口のどちらにも取れますが、 七対子よりも二盃口の方が得点が高いので二盃口になります。 二盃口は一盃口を内包しているので一盃口が確定していると考え和了ることが出来ます。


 

 今回の例から鳴いた場合について考えてみましょう。 まず、上の手牌は和了れるかどうかわかりますか。 もちろん、和了ることが出来ますね。 最初に鳴いた牌で役を確定しているので和了ることが出来ます。


   

 では、今回はどうでしょう。 これも和了ることが出来ます。 最初の鳴きで役を確定させてれば、後はいくら鳴いても和了ることが出来るということで、 特に問題はないと思います。


   

 今回はどうでしょうか。 これは和了ることが出来ませんね。 2筒を鳴いた後に役(中)を付けているので和了ることが出来ません。 最初に鳴いた面子が役に絡んでいないと和了ることが出来ないということです。 これもナシナシの基本なので特に問題はないでしょう。


 

 役と関係ないものから仕掛けた場合でも 手牌で役が確定している場合は和了れます。 仕掛けたときは中が暗刻でなくてもかまいません。 あくまでも和了ったときに他家から見て、 初めから役が確定していたように見えればよいということですね。


   

 和了り牌が5筒の1種類だけで和了り役が確定しているのと、 最初に鳴いている面子が和了りに絡んでいるので和了ることが出来ます。


   

 これは4筒の片和了りになってしまいますので和了ることが出来ません。


   

 今回は和了れると思いますか。 これは最初に2筒を鳴いた時点で役が確定していなかったということで和了れません。 2副露目の面子が69筒の2種類の受けがあり、9筒での鳴きだけが役を確定させることができるからです。 つまり、1副露目では役が確定していないということで後付け扱いになります。 扱いとしては2副露目に翻牌を鳴いた場合と同様だということです。


   

 最後に今回の手牌は和了ることが出来ます。 2副露目の面子が7筒以外に受け入れがないので、1副露目で役が確定していたと見なせるからです。


 ここで注意して欲しいのは和了ることが出来ないというのはロン和了りだけでなく、 ツモ和了りも出来ないということです。 当然、ツモのみでは和了ることは出来ません。 また、言うまでもありませんが搶槓、嶺上、河底、海底のみでは和了れません。

 以上でナシナシの和了りについての説明は終わりです。 これだけ説明したんですから、これ以上のナシナシルールについてはナシナシ好き同士で勝手に解決して下さいね。 <掲示板でナシナシについて質問しても応えないよって言ってるんですよ。分かりますね?

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