8.手役を追え1

 前回までで速度重視の講座は一応終わりです。
 他にも聴牌速度を上げる方法はありますが、とりあえずあれだけ知っていれば、 聴牌速度で大差をつけられることはないと思います。
 もちろん、1局単位で考えれば、どうしようもないこともありますが、 基本的には4局に1回は最初に聴牌することはできるのではないでしょうか?

 では、今回はどういった話かといえば、手役をつける重要性についてです。 いくら聴牌速度が上がっても毎回リーのみでは、トップをとることは難しいということです。 わかりやすく言えば、リーのみの1300点を5回上がるよりも満貫を1回上がる方が、 簡単だということです。

 また、聴牌してもほとんどの場合、役がないということになれば、 リーチを多用するはめになります。
 しかし、リーチを多用しても点数が低いことがほとんどだと他家に知られていては、 他家を降ろしたり、まわさせたりすることはできなくなります。 リーチをかければ他家に聴牌をしられせることにもなりますし、 手変わりができる牌をつもったとしても切る以外にない。
 何よりどんな危険牌をつかんでも上がり牌以外は切る以外にないので、 防御力は皆無に等しいといってもいいでしょう。

 では、実際に手役をつけ得点力を上げるためにはどのように打てばいいのでしょうか?

 

 

 たとえば上のような手牌の場合は聴牌速度重視であれば、 筒子を1面子はずすというので問題ないですが、 手役重視の場合はまた別の考え方になります。
 では、何を切るかといえば23萬の面子を切ることが手役重視の場合の打ち方になります。 なぜ、萬子面子を切ることが手役重視の打ち方になるのでしょうか?

 それは安めの6筒引きを考えてのことなのです。 もし、23萬を残して45筒を嫌った場合に6筒を引いた場合はどうなるでしょう?
 役は平和しかないので1000点にしかなりません。 仮にリーチをかけても2000点です。 リーチ棒1000点を出して1000点の得点の増加を狙っても、 あまり意味がありません。

 もちろん、手変わりを待って都合よく9筒を持ってくれば問題ないですが、 そうそう都合よくいかないのが麻雀です(もちろん、うまくいくときもあるのが麻雀ですが)
 それならば、安めの6筒の引いて聴牌してもまだ高めの三色を狙える23萬切りの方が、 勝っていると考えられます。


 

 

 では、雀頭が2索から1索に変わった上のような手牌の場合はどうでしょうか?
 上のような手牌のときは跳満以上を狙う場合は45筒を嫌うのが当然です。 45筒を残して三色目を残しても、一発や裏ドラがないと跳満を狙うことはできません。 ですから、23萬を残し、45筒を嫌うのが普通です。
 逆に、跳満は必要なくとにかく満貫が欲しいということであれば、 最初の例と同様に、23萬を嫌い45筒を残すことになります。

 ここで、注意しなければいけないのは、高めを狙い聴牌したからといっても、 それはあくまで高めであがれる可能性があるということであって、 高めであがれることが約束されているわけではないということです。
 最初の例でいえば、23萬を嫌い6筒を引いた場合、 36筒であがればもちろん平和の1000点にしかならないということです。

 それは結果として素直に受け入れる以外にありません (もちろん、見逃したり、フリテンに構えることもときには重要ですが)
 しかし、それでも高めを意識して打たなければ、 なかなか高得点であがることはできませんし、勝ちきれるものでもないのです。
 何より常に役なしの聴牌でリーのみばかりでは、なめられる原因になります。 なめられれば、牽制リーチをかけても、他家が降りることもわますこともないので、 まるっきり意味がなくなりますし、 捨牌を他家に読ませることもできなくなるので、 迷彩などをしても意味がなくなり、なにかと都合が悪いことが多いのです。 つまり、なめられれば当然勝ちにくくなる道理です。

 もちろん、常に高めを狙ったり、無理やり狙ったりする必要はありませんし、 基本的な打ち方は今までの打ち方の通りに速度重視で問題ありませんが、 高得点をねらえる機会というのは、半荘のなかでそんなにあるものではありません。
 ですから、手役が狙えるときには、きっちり狙い、できれば上がりきることが重要になります。

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