9.手役を追え2

 手牌で重要なのは早さと高さだと言われてますが、 それだけではもちろんない。 早さ高さの他に柔軟性が必要になる。
 柔軟性とは何かと言えば、それは打ち回しのしやすさであり、 いざというときに食い仕掛けができるのかどうかということになると思う。
 例えば、下のような手牌の場合、何を切るのがいいのかということです。

 

 

 牌効率だけを考えれば、79索切りが一番効率が良さそうですが、 果たしてそうでしょうか?
 もちろん、違います。
 この場合、もっとも効率が良いのは4索切りということになります。 聴牌するための受け入れの広さは79索切りは36索、69筒の4種16枚になります。
 一方、4索切りでも68索、69筒の4種16枚で79索切りと同じということになります。

 また、聴牌してからの待ちの枚数はどうかと言えば、 79索切りの方はどういう聴牌をしても2種8牌の待ち牌があることになります。
 4索切りの場合は、68索が入った場合は、69筒の2種8牌の待ち牌になりますが、 69筒を先につもった場合は8(6)索の1種4牌になります。

 これだけを考えれば、79索切りの方が多少勝るように感じるかもしれませんが、 待ち牌の枚数以上に重要なことがあります。
 それは上がったときの点数の高さであり、 食い仕掛けができるのかどうかということです。
 79索を切った場合は平和以外に役がないので手牌が固定されてしまいます。
 79索を切りとばしては食い仕掛けて上がることはまず不可能に近いうえに、 これからの変化の形はほとんど望めない。

 もちろん、喰断の可能性や他の役の可能性もないではないでしょうが、 まずできないと言っていいでしょう。 そして、79索を落とした場合、リーチをかけても2000点しか望めないということです (裏ドラや一発、ツモなどの要素があるので、満貫、跳満にばける可能性もないではないが、 それはごくまれなことでほとんどは2000点かツモって2700点程度しか期待できない)
 しかし、4索を切っておけば、789の三色があるので高得点が望めるうえに、 9筒もしくは8索を鳴くことによって、上がることができるということです。

 6索、6筒をつもった場合は3色がつかないじゃないかと思うかも知れませんが、 6索引きの場合は79索切りと同様の平和を聴牌できるので問題ないといえるでしょう。
 問題は6筒引きの場合ですが、ツモ切ってもいいし、 聴牌にとっておいて9筒引きで三色を待ってもいいし6萬引き(9索を切った場合)で、 断ヤオへの手変わりを待っても良い。

 もちろん、出上がりはできませんが、手変わりが望めるのでそれほど、分は悪くありません。
 なにより、6筒を引く確率は4分の1なのでそれほど気にする必要はないとも言えます。
また、6筒引き以外の場合は4索切りの方が高得点を望めることを考えれば、 やはり4索切りの方が優っている考えられます。
 最後に簡単にどれくらい優っているのか得点の高さから検討してみたいと思います。
 ロンあがりだけで計算しても以下のようになります。

79索切りの場合
3索ツモ:1000(得点)×8(待ち牌の数)=8000
6索ツモ:1000×8=8000
6筒ツモ:1000×8=8000
9筒ツモ:1000×8=8000
計32000点

4索切りの場合
9筒ツモ:2600×4=10400
6索ツモ:1000×8=8000
8索ツモ:3900×4+1000×4=19600
6筒ツモ:0×4=0
計38000

 上の計算の結果は出あがりのときの期待できる得点ということになりますが、 4索切りの方が6000点(2割弱)ほど得点が高いことがわかります。 ツモの場合を計算すればそれ以上になることは当然おわかり頂けると思います。
 そして4索切りの場合は鳴いても和了れることを考えれば、 どちらの方がより効率が良いかということは自明だと言えます。 つまり、面子選択をするような場合は、聴牌の早さ、あがり易さ、 得点力と柔軟性の点で優っているものを選択することが重要になります。

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