11.手役を追え4

 前回は、聴牌を崩しても手役を追った方が良い場合をお話しましたが、 聴牌を崩して手役を追うことに抵抗のある人も中にはいるでしょう。
 そこで、今回は聴牌を崩さずに手役をつける、 翻数を上げることができる例をいくつかお話したいと思います。
 何しろ聴牌を崩さないで済むので、誰にでも抵抗なくできる点が今回の利点です。

 まず、下のような手牌の場合、これで最終形(実際には麻雀に最終形というものはないが) だと思いますか?

 

 

 少なくとも1手変わりで一盃口が見えてますから、 最終形だとは思わない人の方が多いことでしょう。
 もちろん、上記の形からリーチをかける人もいるでしょうし、 リーチする価値はないと判断したり、手変わりを期待してダマに構える人もいるでしょう。
 しかし、その判断については今回の主旨ではないので、言及しないことにします。

 では、69筒で聴牌しているところに4萬を引いて下の手牌になったとします。

 

 

 これで最終形だと思われますか? もちろん、そうではないでしょう。
 仮に上記の手牌から6索、もしくは8索を引いた場合は タンヤオを睨んで9筒を切ることになります。 その後に6筒を引けば、タンピン一盃口になります。
 6筒を引いたら、その時点で本来はあがっていたのだから、 裏目を引いたことになると考えますか?

 では、逆に8索を引いた場合に8索をツモ切った場合を考えてみましょう。
 8索をツモ切り、69筒待ちの聴牌を維持した場合は、 58索を引くと裏目になったことになります。
 しかもその裏目は9筒切りで6筒引きのときとは違い、タンヤオがつくこともないですし、 他の役がつくことも当然ありませんので、 裏目は本当にただの裏目になってしまいます。

 こういった選択をする場合は裏目を引いてしまったとしても手変わりが望める (今回の例では6筒引きのときには裏目になったと言っても、タンヤオがつく) ような打ち方をするのが、理にかなった打ち方と言えます。
 また、一番最初の例に1萬を引いて下の手牌になれば、 1手変わりでジュンチャンが狙えるのは、お分かり頂けるでしょう。

 

 

 一番最初の手牌が上記のように変化する可能性は限りなく低いですが、 それでも意識して打っていないと2手変わり、3手変わりに気づかずに、 後で後悔することにもなりかねません。
 何もこんなことまで気にする必要はないと思いますか?
 何度か言っていると思いますが、 麻雀に限らず物事は些細な事を当たりの様に常に積み重ねていた方が必ず勝ちます。
 当然、こういったことを疎かにしているようでは、 なかなか勝てるようにはなりません。


 では、次に下の手牌の場合は何を切るでしょうか?

 

 

 3萬を切って平和を確定させますか?
もちろん、それも選択肢の一つではありますが、この手牌で平和のみを目指す人はまずいないでしょう。
 ここまでくれば清一を狙うのが普通ですし、しかも23筒のどちらを切ったとしても、 役なしではありますが聴牌を維持できるので流局間際であったとしても問題ありません。

 また、この手のように単騎待ちにとり、高めに移行するような場合、 萬子であれば何を引いても聴牌になるので、非常に有効な打ち方だといえるでしょう。
 もっとも、この手の染め手に移行するものに関して言えば、初心者の方がよくやっていることだと思いますので 改めて言うだけ野暮だとは思いますが。
 何しろ、初心者のうちは染め手や対々和が異常に好きですから(もちろん、私も染め手は大好きです)


 では、最後に以下のような手牌の場合はどうしたら良いでしょうか?

 

 

 14萬で聴牌していたところに5萬を引いてきた場合に、 手役を追うのであれば2萬を切ることが基本になります。
 待ちは1萬待ちが消え、カン4萬になってしまいますが、 7萬を引けば3色が確定しますし、6萬を引けばタンピンが確定し、 三色目が出来るのが大きい。

 それに嵌4萬待ちになってしまうといってもタンヤオが確定しているので、 出あがりがきくので、それほど分が悪いこともないと思います。
 状況が許すようであれば、いったん待ちの数を減らしてでも 高めに移行できる可能性を追うことは、 選択肢の一つとして非常に有効でしょう。

 では、14萬で聴牌しているところに67萬をツモってきた場合はどうしたら良いでしょうか?
かなり早い順目である場合やどうしても高得点が欲しい場合を除いては、 14萬の聴牌にとっていた方が良いと思っています。
 なぜ、その方が良いのかは次項で書きたいと思います。

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