20.リーチ3

 今回は追っかけリーチについての話です。 追っかけリーチをするかどうかは普通のリーチ(つまり先制リーチ)と同じように 待ち牌の多寡や和了り点の高低、現時点の持ち点、順位などで基本的には判断することになります。 とは言っても、先制リーチがかかっているので当然これら以外にも考える必要があります。

 ここで先制リーチについてちょっと考えてみましょう。 まず、他家からリーチがかかったときどう思いますか。 拙いことになったと思いますよね。 ほとんどの場合は確かにその通りです。 他家のリーチでいいことなんてほとんどありません。 せいぜい自分が和了ったときにリー棒が手に入るくらいだと思う人は多いでしょう。 しかし、他家のリーチにはメリットもあります。 それは他家の動向が簡単にわかるということです。

 例えば、上家に聴牌気配があったときに対面が危険牌を切ったとしましょう。 その場合、打ち込みの危険を冒すだけの手牌なのか、 それとも単純に聴牌に気づいていないだけなのか、 危険だとは思っているが、まだ聴牌していないと読んで勝負にきているのか簡単には分かりません。

 しかし、リーチがかかっていれば、そんなことは当然ありません。 危険牌を切ってくれば勝負していることが簡単に分かりますし、 現物や安牌ばかりを切っていれば降りていることが簡単に分かります (ごく稀に手牌が危険牌だらけで降りてるのに出てくるのは危険牌ばかりという状況というもありますが)

 こんなこと分かっても大して役に立たないよと思う人もいるかもしれませんが、 追っかけリーチをするかどうかの重要な判断材料になります。 これに点数状況や局数を考慮に入れれば、追っかけリーチを掛けたときの他家の対応はだいたいわかります。



 例えば、下の手牌で素直に聴牌を取るのであれば8索切りですが、 状況によっては7索切りにシャボに構えることもあるということです。



 先制リーチがかかった状態で他家がベタオリしていて7索が場に3枚、もしくは2枚出ているなら、 8索狙いの7索切りリーチはかなり有効です。 もちろん、ノーチャンス(もしくはワンチャンス)をつくってダマで打ち取るというのも良いと思いますが、 このような場合はリーチを掛けた方がかえって出やすいものです。

 自分がベタオリしているときのことを考えてもらえば簡単に分かると思いますが、 リーチが1人のときであれば現物や安牌はそこそこあるのが普通ですからそれほど降りるのに苦労しません。 当然、ノーチャンスを頼りに外スジを切ることも多くはありません。

 しかし、二軒リーチとなると共通の現物や安牌というのはかなり限られてきますから、 どうしてもスジやワンチャンなどを頼りにすることが多くなってきます。 ですから、他家がベタオリをしているときにノーチャンスやワンチャンスを作ったのであれば、 追っかけリーチをした方が出和了りを期待できることになります。



 また、下のような手牌で8索が先制リーチの現物であれば8索切りでダマに構えるのがセオリーですが、 4索切りで追っかけリーチというのも先ほどと同じ理由で有効なときがあります。



 ただし、これは他家がベタオリをしているときに有効なことが多いのであって、 他家に降りる気が全くないときにやると大変不利になるので注意が必要です。 また、あまりに露骨に怪しい引っ掛けリーチ(4索が浮きすぎてるなど) だといくら他家がベタオリをしていてもスジを追ってくれないので、 この点にも注意が必要です。



 次に先制リーチの現物待ちになったときについてちょっと考えてみましょう。 リーチ者の現物待ちなのですから和了りを重視するのなら、 基本はダマに構えて出和了りを狙うことになります。 何も追っかけリーチをかけて他家に聴牌を知らせる必要はありませんね。 ただし、気をつけなくてはいけないのは、 いくら追っかけリーチをしてなくても危険牌を何牌も切っていたら、 聴牌が他家にばれてしまうという点です (特に危険牌をツモ切りするようだとすぐばれます)

 そして何より問題なのはその聴牌が現物待ちだとばれることです。 ダマに構える理由は現物待ち以外にも待ちが悪い、点数が低いなどありますが、 危険牌を切ってまで勝負にくるのであれば、待ちが悪いとか点数が低いということはまずありません。 ですから、危険牌を何牌も切るようなときは追っかけリーチをしてしまった方が下手に待ちがばれないだけ良かったりします (もちろん、他家が捨て牌をろくに見ない打ち手であれば、そのままダマにしておいても問題はありませんが)

 また、リーチの現物待ちのときはダマにとるのがセオリーだと他家が知っているのであれば、 それを逆手にとっての追っかけリーチも有効です。 特に親の先制リーチの現物待ちであればダマに構えることが多いので、 追っかけリーチをかけると親の現物以外が危険牌だと考えがちなので、 二人に安全そうな親の現物待ちを釣り出しやすくなります。



 他にも上家と下家のどちらが先制リーチしているかで対処も多少違ってきます。 先制リーチとオナ聴だと思えば打ち込みの危険性がないのでリーチという人もいるでしょうが、 先制リーチが上家の場合はツモ和了り以外は上家取りとなってしまうので(ダブロンなしの場合)、 他家から待ち牌がでそうなとき(他家にオリる気配がないときなど) はダマに構えておいた方が良いことが多いです。 逆に下家の先制リーチでオナ聴だと思ったときは、 出和了りなら上家取りで自分の和了りになるので、 多少有利な状態でリーチをかけることができます。

 また、点数状況によっても有利不利というのがあります。 例えば、下のような点数状況で西家がリーチをかけていたとします。

親 13,000点
南 37,000点
西 29,000点
北 21,000点

 自分が北家の場合であれば西家よりも有利な状態でリーチかけることができます。 それはトップは2着目との点差が縮まることをなによりも嫌うので、 より西家に安全そうな牌(つまり北家には危険な牌)を切ってくる可能性が高いからです。

 逆に自分が西家で北家が先制リーチをしていた場合に追っかけリーチをするのは、 北家に比べて多少不利になりますので注意が必要です。



 その他にも先制リーチの当たり牌を引いたときに振り変えることができるかどうかも追っかけリーチをするかどうかの重要な判断材料になります。 例えば、リーチの本命が36萬(9萬は安牌)で和了りよりも振込みを避けたいときなどに下のような手牌であれば、 36萬を1度引いてから9萬切りの追っかけリーチをすることも必要となってきます。



 最後に追っかけリーチではありませんが、仕掛けが入っている状態でリーチする場合にも注意することがあります。 それはリーチをするとリーチにばかり気がいってしまい、 仕掛けに対して緩くなったり仕掛けのことを忘れてしまう人がいるということです。 特に仕掛けている他家に対して危険な牌が自分の現物にあるような場合は、 リーチしたばかりに釣り出してしまうこともありますので、 よく考えてリーチをする必要があります。



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