11.捨て牌はタンピン系3

 前回では実力と雀風を見極めて打つこと(捨て方)が大事といいましたが、 それだけでは十分ではありません。
 では、他になにを考えて打つ必要があるかといえば、 相手の心理を読むということです。
 どういうことかといえば、どんなに棒テン即リー全ツッパの人でも振り込みを続けていれば、 弱気になっておりたりします。
 また、序盤に捨てられた牌のまたぎスジ(ここでは、外側の牌という意味) は安牌であると思っていた人がまたぎスジで放銃したりした場合は、 次から似たような牌が切れなくなることがあります。
 つまり、そういった他家の心理を読みきることによって、 本来なら危険牌であるものを、安牌のようにみせることができます。
 では、実際にはどうすればいいのでしょうか。 実際にあった例で示したいと思います。

 
 

 

 開局そうそう上の捨て牌でリーチをかけました。 普通に考えれば早い順目に切られている3索の外側の牌である1索、2索や、 8筒の外側の牌である9筒が比較的安全度の高い牌ということになります。
 もちろん他家には3索が先ぎりであることはわからないので、 おりたり、まわしたりした場合はかなりの高い確立で2索をつり出せます。 実際、3索の先ぎりが功を奏して上家から2索が一発で出たので満貫 (満貫扱い)になりました。

 しかし、ここで重要なのはあがったこと以上に他家の1発目の捨て牌です。 下家は現物、対面は1索、そして振り込んだ上家は2索でした。 これらから、少なくとも他家の3人の雀風は全ツッパ(ひたすら勝負する)タイプではなく、 捨て牌からある程度安牌を予想するタイプではないかということが推察できます。
 そして、次局でも先ぎりしてリーチをかけましたが、今度は先ぎりした牌のまたぎスジは出ずに、 リーチ宣言牌のまたぎスジや、無スジがきられたのであがれずに流局になりました。

 しかし、ここでもあがれなかったのはたいして問題ではありません。 ここでは、流局したことにより、 他家の3人に先ぎりの状態でリーチをかけたということが、認識されたことが大事になります。
 つまり、他家の3人に私は常に先ぎりをする人間であると思わせることが出来たということです (実際には前局だけで十分でしたが・・・) そこで次局は先ぎりをせずに手なりで進めていくことにしました。

 
 

 

 この捨て牌であれば5−8萬は本命なので、 そんなに簡単には他家が切ってくることはまずありません。 しかし、前2局で先切りを印象づけておいたおかげで(みえみえの待ちでリーチはないということ)、 これも1発で釣り出すことができました。
 この例では他家3人がほとんど同じタイプの打ち手ということもありうまく行き過ぎましたが、 相手の心理を読み取れば当り牌を釣り出す確立も高くなります。
 つまり、捨て牌は他家との心理戦であり、 状況や心理によって全く同じ捨て牌でも他家が切る牌というのは違うということです。 他家から当たり牌を釣り出したいときは、 他家の心理を読み取り状況に応じた捨て牌や待ちが重要になります。

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