タンピン

2限目が終わり学食に向かう途中、
『徹マン明けに応物の授業は疲れるよな〜』
『疲れる?おまえ、ぐーすか寝てただろ』
『・・・・・誰が寝てたんだよ。ちゃんと起きてたじゃん』
『い〜え、しっかり、ばっちり寝てました。しかも、寝言つきで』
『ば〜か。それは寝言じゃねぇーの。独り言』
『もっとも、起きてても同じことだけどな。おまえの場合はさ』
『何がよ?』
『起きていても結局理解できないだろ』
『それを言うなら、おまえだって同じだろ』
『ふ〜ん、そんなこと言っていいの?』
『なんだよ?』
『おまえ、出欠表に名前書いた?』
『へっ?!』
『俺が代筆してやったんだけど?』
『それは、大変失礼しやした。』

なんてことをやってると、なんとも可愛いらしい会話が聞こえてきた。
『ねぇ、タンピンっていくらだっけ?』
『え〜と、ちょっと待ってね。』
うんうん、こんなところで、お勉強とは関心関心。 君達は立派な女雀士になるよ。 いやいや、心がけだけなら既に一流だ。
でも、タンピンの点数で悩むなんて可愛いよね。 俺にもそんな時代があったよ。
ただの七対子を満貫扱いにしてもらったこともあったよ。 懐かしいやね。

『タンピンは・・・・60円みたいだよ。』
60円っすか?!なんかえらく俗っぽいというか、 現金というか博打っぽいね。
もしかして、一局清算、しかも現金でやってるのかな。 だとしたら、結構凄いよね。
しかし、タンピンが60円ってことは点3なのか。 それはそれでちょっと可愛いかも。
でも、タンピンを60円って表現するのをはじめて聞いたよ。
なんか本当に金の遣り取りしてるって感じがして、ある意味すごく新鮮だ。

今度俺も言ってみようかな。
ロ〜ン、タンピン200円。
なんか100点棒が2本飛んできそうで怖いね。
それとも200点なんてないんだよとか言われちゃうかな。
いやいや、その前にご祝儀と勘違いされて説教でもされるのがオチだよな。
それより、誰にも相手にされず、しっかり2,000点出てきて、 サクッと次局に移っちゃったりするんだろーな。
それってすごく寒いよね。 そんでもって視線はもっと冷たいんだろうな。 怖い。怖すぎてできない。
一人恐ろしい想像をしていると聞きなれない言葉で、またも現実に引き戻される。

『そっか、それじゃライスとタンピンにしよー』
はぁ?!ライスっすか?
ライスなんて麻雀用語にあったかな?
それとも造語?
初心者はすぐに新語をつくっちゃうから困るよね。
こんなときは同じ初心者のワトスン君にでも聞いてみるに限る。
『ライスって何の隠語だかわかるかい』
『ここがどこだか、わかってる?』
あきれた顔が返ってきた。 ワトスンのくせに人をバカにして!!
『食堂に決まってる』
『そうだよ。食堂だよ。だから、ライスはライスだよ』
『ふ〜ん?だから?』
『今日の単品はコロッケなの?わかった?』
『むっ?!ってことはタンピンじゃなくて単品なのか?!』
『おまえ、相変わらず馬鹿だな』
むぐっ・・・・・・・・・ムカツク。

今回の教訓。他の人は麻雀以外の話もするらしい。
麻雀以外の話をする人がいるって知ってた?
それではみなさん、さよならー。

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