3.まわし

 まわす、しのぐとは、当たり牌を止め、かつ上がりきることを言います。
 言葉で書くとすごく簡単そうですが、実際にやるとなると非常に難しい、 というよりまず不可能と言ってもいいでしょう。
 なぜなら、まず当たり牌を1点で読み切ることが非常に難しいからです。 仮に1点で読めたとしても、当たり牌を使い切ることがまた難しい。
 ですから、実際にはまわす、しのぐというのは危険牌(当たり牌とは限らない)を止め、 上がりに向かうことを言います。
 別の言い方をすれば、なるべく手を崩さずに、安牌(らしきもの) を切りながら上がりに向かうということです。
 つまりはなんとも半端な打ち方だということです(上がろうとしてるんだか、 振り込みを避けているんだかわからない)

 しかし、このまわすという行為は中級者、上級者に好まれます。 なぜかと言えば、ちゃんとまわし打てたときに、
「どうだ!!おまえの当たり牌を読んで、しかも上がりきってやったぜ?」
などと自己陶酔できるからなんですね(笑
 そして、きちんとまわすことができる人はうまい、玄人と思われているからです。

 しかし、まわして上がった場合、危険牌を使い切って上がったというだけで、 当たり牌を止めたというわけではないことがほとんどです。
 なかには危険牌=当たり牌と思っている人もいるかもしれませんが、 危険牌と当たり牌は別物だと言ってもいいでしょう。
 危険牌とは打ち手が勝手に危険だと思いこんでいる牌のことであり、 当たり牌である可能性が高そうだというだけだからです。

 つまり、危険牌を止めてまわしているつもりが、手を安くしたり、 手を遅くしているだけということはよくあります。
 これなら、危険牌を止めずにガンガンいった方がいいということになります。 では、まわすことは無意味かと言えば、もちろんそんなことはありません。
 これだけ、ぼろカスに言っておいて何言ってるんだと思うかもしれませんが、 当たり牌を読みとる精度がある程度あれば、これはかなり有効な打ち方だと言えます。

 上がりを放棄して現物や安牌を切り続けるベタオリよりも、 多少の危険を冒してでも上がりを拾いにいく、 上がりきろうとするまわしの方が分がいいのは当然といえるでしょう。
 ベタオリしているからと言って失点しないというわけではないのですから (ツモられる場合ももちろんあるし、振り込むことだってある)

 また、一口にまわすと言ってもベタオリに近いものから、 全ツッパに近いものまであります。
 例えば、ベタオリはしたくないけど、絶対に振り込みたくない場合は、 なるべく手を崩さない程度に現物や安牌らしきものを切っていき、 どうしようもなくなったら、ベタオリに移行する。 危険牌を掴む前に聴牌し上がることが出来たらそれで良しというような打ち方になります。
 逆に、できるだけ振り込みは避けたいが、絶対にあがりきりたい場合などは、 1点もしくは2点程度で読んだ牌以外は、 全て切り出し上がりに向かう打ち方になります (これが、もっとも普通のまわす感覚だと思います)

 しかし、現物以外は危険牌と感じるようでは、ほとんどの場合、 まわすことはできなくなります(切れない牌が多くなりすぎて使い切れなくなるため)
 そこで、当たり牌をある程度読む技術が必要になってきます。 これがないとまわすことなど到底不可能です。

 では、どうやったら当たり牌を読めるようになれるかと言えば、 まず攻撃の手筋を覚える必要があります。 攻撃の手筋がわからないと手牌の構成がどういったときに、 どんな感じの捨牌になるのかがわからないからです。
 では、攻撃の手筋はどうやったら覚えられるかと言えば、 効率よく聴牌し、高い手を仕上げるためにはどうすればいいかを覚える必要があります (つまり攻撃編を読めということですね(笑)

 これが分かれば基本的な危険牌はわかるようになるし、 何より安牌がわかるようになるので、ベタオリする頻度が減ります。
 では、実際にどういうときにどんな牌が危険であるかということは、 次回から説明していきたいと思います。

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