7.雀力2

 今回は前回話しきれなかったなぜ麻雀の勝率は実力通りにならないのか?という話です。 このような疑問を抱く人の多くは中級者以上(自称含む)だと思うんですが、 その人達は自分の実力を10、格下の実力を1としたら自分がトップ10回とって、 格下さんがようやく1回トップを獲るというのじゃないと納得がいかないということだと思うんです。 ここで問題になってくるのが、実力とは何か?ということです。 普通、実力とはセオリーにどの位熟知しているか?とか、 牌効率をどの程度極めているか?とか大局観の優劣、他家の心理をどの程度読めるのかとか、 待ち牌や手牌構成の読みなどの習熟度のことだと思います。

 確かに実力とはこのようなものだと思われていますが、それだけではないのでは?と言いたいのです。 では、他にどういったものがあるのかといえば、それは誰もが覚えなければいけないルールです。 本当の雀力とはルール+上記の実力ということになるのではないかということです。

 これはルールを全く理解していない人と卓を囲んだ場合を考えれば納得してもらえるかもしれません。 この場合の実力比は10:0と考えて問題ないでしょう。 そして、結果も実力比通りに格上の人が10:0で勝つでしょう。 何しろ相手は役どころか和了るということすら分からないのですから、勝ちつづけられないわけがありません。

 しかし、格下の人がルールを覚えれば勝率は急速に縮まることでしょう。 これは実力差が縮まったことを意味しているのではないでしょうか。 とすれば、問題になってくるのがルールが実力のうちでどの程度の割合を占めているのか?ということになると思います。

 将棋や囲碁などのようにルールを除いた実力がそのまま勝率に直結する(しやすい) ようなゲームは実力におけるルールの占める割合が極度に低いということになり、 逆に麻雀はルールの占める割合が高いということになります。 ですから、将棋や囲碁はルールを覚えただけでは簡単に勝てませんが、 戦術や戦法に熟知すればするほど勝率が上がることになります。 一方、麻雀はルールを覚えただけでもある程度の勝率は稼げますが、 勝率の上積みを狙って戦術を覚えてもなかなか勝率に反映されません。

 仮に、実力のうちルールが9割の比率を占めていたら、 完璧な戦術を会得している上級者とルールを覚えたばかりの初心者が戦った場合でも上級者の10勝9敗になるということです。 感覚的には圧倒的な実力差があるにも関わらず、結果を見ると五分五分に近いということになってしまいます。

 つまり一般的に言われている実力とはルールを除いた部分のことであるので、 そこのみを比較していると実際の勝率と違ってくるということです。

 最後にルールの雀力に占める割合がどれくらいであるのかということについてですが、 そんなことを聞かれてもわしゃ困る。

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