今回も前回、前々回に引き続いて手役を追う重要性に関してのお話です。
麻雀であがれる回数というのはそのときによって変わってきますが、
基本的には2,3回くらいが普通でしょう。
他の講座でも何回も言っていますが、
麻雀は1000点を8回上がるよりも満貫を1回あがる方がはるかに簡単だということです。
ですから、高得点を狙えるときはきっちり狙うことが重要だということは再三言っている通りです。
では下のような手牌の場合は何を切るのがよいのでしょうか?
14索切りなら一応聴牌ですが、言うまでもなく役なし聴牌です。
もちろんダマ聴に構えて89筒ツモで3色を狙う、
もしくは4筒ツモで平和ということでも十分ですが、
どうしても3900点以上欲しいような場合は、
5筒を切ることによって一通と三色の両天秤にするのが良いでしょう。
5筒を切れば、6索ツモで一通確定、5索ツモで一通目ができるし、
他に14索切りの場合と同様に9筒で三色確定、8筒ツモで三色目ができる。
ある程度の得点を狙う場合は(この場合は3900点以上と仮定しましたが)、
仮聴には構えず3900点以上狙える受けが2倍に増える5筒切りがもっとも良いことになります。
ただし、これは絶対に安手ではあがらない、もしくはあがりたくない場合のことであり、
いつもこうすれば良いというものではないことは言うまでもありません。
たとえば、早上がりが必要な場合や流局間際に聴牌を崩してまで高得点を狙いにいくのは逆に感心しません
(もちろん、オーラスで親がトップ目でノーテンなら終了というような場合は、もちろんその限りではない)
麻雀は単純にあがりの早さや役の高低を競うものではないのですから当然ですね。
では、次のような手牌の場合はどうすればよいでしょうか?
147索を切れば聴牌になることは言うまでもありませんが、
先ほどの例とは違い、ダマ聴に構えていても手役がつくことはまずありません。
つまり出あがりをできるようにするためにはリーチをする以外にはないということです。
しかし、リーチをかけても1300点にしかなりません。
運良く裏ドラが乗るか一発がついたとしても2600点止まりです。
つまりこの手で聴牌を維持することはほとんどの場合意味がないということになります。
極端に7筒が出やすい状況であったり、流局間際であれば別ですが、
それ以外のときに聴牌にとるのはまずやめたほうがいいでしょう。
初心者のうちは、とにかく聴牌に固執し、役がなければとにかくリーチという人が多いですが、それでは一生負け組みです。
それではこの場合どうするのがよいのかといえば、89筒を落とすのがほとんどの場合、最善だと言ってもいいでしょう。
仮に9筒を落とした場合、聴牌する牌は1〜9索、北、68筒の12種38牌
(7筒は振聴になるため除外、というより聴牌にとっておけばあがっているので有効牌には数えない)になります。
もちろん、北、1472索での聴牌は望んでいるものではありません。
それでは辺7筒待ちと大してかわりありません。
ここで聴牌を崩す目的は何かと言えば、得点をあげることももちろんそうですが、
それ以上にダマであがれるような手牌に仕上げることが肝心だと言っていいでしょう。
もちろん、三色も一通も十分狙えますから、あきらめる必要は全くありませんが、
それは二の次だということです。
つまり、少なくとも聴牌を崩すわけですから、どうして聴牌を崩すのか?
どういう手牌にしたいのかということを明確にしなければいけなません。
ただ、みんながそうしているからとか、上手の人間がそうしろと言ったから、
待ちが悪く、役のない聴牌を崩しているようでは上達しません。
なんでそうなるのかを自分で考え納得しなければ上達のしようもないということです。
話が脇にそれましたが、では望んでいる有効牌は何かと言えば、
36958索の5種17牌です。
3索なら平和の3面待ち、8索なら高め一通の3面待ち、9索であれば一通確定、
そして56索であれば平和になり、役なしの7筒待ちより遥かに良い手牌になります。
もちろん、これは8筒が手牌に残っている場合ですので、
8筒の代わりに他の有効牌を引き入れた場合はより以上に聴牌する枚数が増えるのは当然です。
例えば、357萬あたりを引き入れれば、4種14牌以上有効牌が増えることになります。
また、5筒であれば2種8牌、4筒であれば3種12牌が有効牌として増え、かつ三色も狙えることになります。
つまり、聴牌を崩しても30牌前後の有効牌が見込めるわけです。
30牌前後もの有効牌があれば、平均3,4順くらいで聴牌しなおすことも可能になります。
出あがりもできない上に上がり点も少ない聴牌に取るくらいであれば、
出あがりができ、得点も高くなる手牌に移行するように打つのは当然のことです。