今回は向聴数のお話です。
向聴数とは言うまでもなく聴牌するまでに必要な牌数のことですが、
これを意識しているかどうかで打ち方がかなり変わってきます。
いつものように極端な例ですが向聴数を意識してないと、
残り2巡にも関わらず三向聴から形聴のために仕掛けて打ち込んだり、
四向聴や五向聴にも関わらず、
ドラが暗刻だというだけで無闇にリーチに突っ込んでいって痛い目にあったりすることもあります。
こういった不用意な打ち込みなどは向聴数を意識することで大分減ると思います。
しかし、意識してみろと抽象的なことを言われても困ると思いますので、
具体的な例で向聴数について色々と考えてみたいと思います。
まず、配牌の向聴数についてですが、よく知られているように最悪で六向聴、最高で零向聴(聴牌)です。
最悪で六向聴というのはどんな酷い配牌でも6個対子が出来れば七対子が聴牌するからです。
しかし、これを知っていてもほとんど意味がありません。
なぜなら、七対子六向聴の手牌で七対子を狙う人はまずいないからです。
普通に4面子1雀頭作った方がはるかに簡単で早いことは言うまでもないことでしょう。
では、4面子1雀頭を作るときに一番聴牌から遠いのは何向聴なのでしょうか。
少し考えれば分かると思いますが、それは八向聴ですね。
なぜかと言えばどんな手牌でも4面子あれば聴牌するからです。
1面子を作るには既にある牌の他に有効牌が2牌あればいいですから、
4(面子)×2(牌)=8(向聴)だと分かるわけです。
これは1雀頭、3面子、1塔子での聴牌形を考えたときでも同じです。
1雀頭を作るには1牌が必要で、3面子作るには6牌が必要、
1塔子を作るには1牌が必要となり、聴牌するには4面子を作るのと同様に8牌必要(八向聴)となります。
ただ、実際に七向聴や八向聴の配牌をもらうことはめったにないので、
これを知っていてもあまり役に立ちません。
ですから、これをもとにもう少し役に立つだろう配牌の平均向聴数を求めてみたいと思います。
配牌の向聴数(4面子1雀頭狙い)の取り得る値は0〜8(向聴)なのは上述の通りです。
ここで向聴数の合計(36)を要素数(9)で割ります。
そうすると配牌の平均向聴数は4向聴であることが分かります。
ただし、これは聴牌形を4面子1雀頭と限定した場合ですので、
七対子や国士にも取れることを考慮に入れると4向聴弱だというになります
計算方法はかなり強引というかデタラメですが、
配牌の平均向聴数が4弱(3.7前後らしい)だということを知っているのは無駄ではないと思います。
配牌で三向聴なら良くて、四向聴なら普通かやや悪く、
五向聴ならかなり苦しい形ということが分かるからです。
麻雀は配牌だけで決まるものではありませんが、
それでも配牌の占める比重はかなり大きいので、
配牌の向聴数によってその局の打ち方を考えるは大事です。
ただ、気をつけなければいけないのは、
必ずしも向聴数が少ない方が良いわけではないということです。
例えば下の2つの手牌では、1つ目がニ向聴、2つ目が三向聴です。
どちらの手牌がいいかと言えば、2つ目の方が断然いいですね。
ですから、機械的に三向聴ならオリ、ニ向聴ならツッパるなどと決めてしまうのは問題です。
他にも見かけの向聴数と実際の向聴数の違いを意識する必要もあります。
下の手牌は一応ニ向聴ですが、それは2446萬で2面子作れればです。
しかし、実際には2446萬から両嵌に移行して1面子、
6778索で2面子を見込む方が現実的です。
そういった意味では実際の向聴数は三向聴だといえます。
ですから、単純に向聴数を考えるだけではなく、
現実的にもっともありそうな手順での向聴数を考えることも重要になります。
最後に形聴に走る巡目について話したいと思います。
形聴に走るのは残り2,3巡になってからで十分という話をたまに聞きますが、
それでは一向聴のとき以外はほとんど間に合いません。
では何巡目から形聴に走れば良いのかと言えば、
向聴数や有効牌の数、他家の絞り具合、和了りにかける期待度などによってかなり変わってくるので、
何巡目からとははっきり言えません。
しかし、経験的に鳴きを意識していても向聴数を1つ上げるには2巡位はかかるので、
一向聴なら15,6順目、ニ向聴なら13,4巡目、
三向聴なら12,3巡目くらいを目安に仕掛けると良いのではないかと思います。
ただし、形聴のために仕掛けている何巡かは、
和了れないのに打ち込みの可能性だけはしっかり残っていることを忘れてはいけません。
色々と書きましたが向聴数を意識していて得になることはあっても、
損になることはないので意識はしておいた方が良いでしょう。
少なくともいつの間にか聴牌してるというようなことがないようにはしておきましょう。